アスタキサンチン
アスタキサンチンとは

アスタキサンチンとは、カロテノイドの一種で、1938年にリヒャルト・クーンらにより発見されました。「天然の赤い色素」なので、トマトに含まれるリコピンや緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンの仲間になります。
サケ科の魚類の赤身部分(筋肉)、エビやカニなど甲殻類の殻などに多く含まれていて、高い抗酸化作用=すなわち、老化や病気を引きおこす「体内の錆び」と戦うパワーに優れているのが特徴。体内にあっては生体を防御する働きを担っていると考えられています。

アスタキサンチンの抗酸化作用とは?
アスタキサンチンの他にも、抗酸化作用のある成分はたくさんあります。
たとえば、ビタミンEやビタミンC、カテキンやコエンザイムQ10などにも抗酸化作用があるとされています。
それらと比べて、アスタキサンチンの抗酸化パワーがどうなのか気になるところですが、その前に、抗酸化作用についてちょっと復習しておきます。
まず、抗酸化作用とは、大ざっぱに言うと「活性酸素に対抗するパワー」ということです。
この活性酸素にも何種類かがあって、たとえば、「一重項酸素」「スーパーオキサイド」「過酸化水素」「ヒドロキシラジカル」などです。このうち、「一重項酸素」は、シミやシワなどの原因である紫外線によって発生することが知られており、皮膚の老化に深く関わっているとされています。
そして、アスタキサンチンの「一重項酸素」に対するパワーは、ビタミンEの約550倍、β-カロテンの40倍もの効果があるのです(参考文献:「美肌、目と脳を守るアスタキサンチン」ハート出版)。サケの卵(イクラ)が赤いのも、卵を紫外線から守るために、親が卵へアスタキサンチンを移しているからだと言われています。また、富士フイルムの解析技術センターによる研究では、コエンザイムQ10の約1,000のパワーがあるとも報告されており、健康や美容の分野から大いに注目の成分なのです。


届く力も違うアスタキサンチン
アスタキサンチンの特徴は、抗酸化パワーに優れているだけではありません。
「届く力」が違うのです。どこに届く?=それは脳や目にです。
「え、他の抗酸化物質は脳や目に届かないの?」
脳や目のある部位はとてもデリケートで重要ですから、その入り口には「関所」があり、厳密な「入場制限」がされています。そして、ビタミンCやビタミンE、βカロテンといった抗酸化物質も、そこでは入場制限されています。アスタキサンチンは、そこを通過し、脳や目に到達することができる希な成分なのです。
アスタキサンチンをどうやって摂るか
アスタキサンチンを摂ろう!といっても、毎日、カニやサケを食べるのも大変です。それに、もともとカニやサケも、自分の体内でアスタキサンチンを生成できるわけでなく、そのおおもとはヘマトコッカスと呼ばれる海藻=つまり植物由来のカルテノイド。それが食物連鎖によってカニやサケに凝集するのです。
さて、だとすれば、カニやサケを毎日食べるのではなく、その「ヘマトコッカスと呼ばれる海藻」を摂るという選択肢もあります。実際、サプリメントに配合されるアスタキサンチンの原材料の多くは、このヘマトコッカス藻の色素です。
サプリメントによって効率よい摂取ができるのもうなずけます。
